50代女の職業訓練体験談|Webマーケター受講後に転職は厳しい現実

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    50代女の職業訓練体験談

    50代女、未経験職の職業訓練を受講して関連する仕事に就けたのかのお話です。

    中高年でも受講できる職業訓練コースがありますが、就職はコースにより厳しい。

    ハローワークの職業訓練コース「Webデザイン」や「Webクリエーター」は非常に人気がありますが、私は申込時に断られました。

    私はウェブマーケターの職業訓練コースを受けました。

    こんな方に向けた内容です
    • これから職業訓練を受講しようと考えている
    • WebデザイナーやWebクリエーターの職業訓練の受講を考えている方
    • 職業訓練受講中の転職活動はどんな感じか知りたい
    • 転職活動で、職種や年齢によって転職が難しいのか知りたい
    • 職業訓練を受講すると平日はどんな感じか知りたい

    私は職業訓練のWeb系のコース(Webマーケティング)を受講しました。

    私が受講したコースは主に20代から30代の方が受講すると転職成功しやすいと感じています。特にWeb系やIT未経験者で、営業経験や営業に近い仕事をしたことがある方は、転職が比較的転職しやすいと感じました。

    私のような年齢で、企業に雇用されるのは、かなり難しいです。このことは、職業訓練の運営側は知っていることですが、受講はさせてくれます。

    目次

    Webマーケターやデザイナーのコースをやめとけと言われる理由

    職業訓練でWebデザイナーのコースをやめとけ!と言われる理由をはじめに紹介します。

    1. 年齢の問題
    2. 就職は難しい
    3. 実践スキルが身につくわけではない
    4. やる気がない人もいる
    5. やめとけ!というような否定的なことを言いたいだけ

    年齢の問題

    本文中の「中高年が避けるべき職業訓練のコース」で詳しく紹介していますが、中高年がこのコースを受けても就職はかなり厳しいです。

    このコースを受けて、就職に成功しやすいのは若い方です。

    就職は難しい

    ハローワークが公表している職業訓練終了後3ヶ月後の就業率は、近年高くなっています。(本文後半で紹介)しかし、就職先に関しては受講したコースと完全一致しているかは不明。

    その例として、私は受講コースと全く関係のない仕事に就きました。仕事が決まるとハローワークと職業訓練に報告するのですが、職業訓練校から「仕事が決まった人」としてSlack(ビジネス用のメッセージングアプリ)で、紹介されました。

    おばさん

    Webマーケティングと全く関係ない仕事なのに・・・

    私のような関係ない職種への就職も、就職率に加えられている可能性もあるかもしれません。30代の頃に受講した職業訓練のときも、終了後関係のない職種に就いています。

    実際にWebデザイナーコースを受講した知り合いの話では、就職できた人はほとんどいなかったそうです。

    就職活動は?

    というと、私が実際にWeb系の就職活動したとき、WebマーケターやWeb担当の求人に応募しました。パートの仕事ですら、ポートフォリオの提出や試験の案内がありました。また、応募者多数のため、連絡がかなり遅かったです。

    このことからも、競争率は高いとわかります。

    実践スキルが身につくわけではない

    Webマーケティングに関しては、一通りの流れがわかりますが、実践で活用できるスキルが身についたとは感じませんでした。全く意味がないわけではなく、個人がこれからブログ運営していくには役立つかもしれません。

    職業訓練は雇用保険加入の仕事に就くための訓練なので、それ以外の目的の受講はダメ

    「Webデザイナー」や「Webクリエーター」のコースはというと、私は受講していませんが、別の地域に住んでいた同年代の知り合いがこのコースを受講しました。

    詳しく話を聞きましたが、実践で使えるスキルが身につくような内容ではなかったとのこと。趣味としての知識を身につける程度なら、十分な内容ではあったと話していました。

    そもそも彼女は、Webデザイナー等の仕事に就く気はなく、興味のある分野だから受講したと言っていました。以下に続きますが、こういう理由の人も多く受講しているのが現実です。

    やる気がない人もいる

    職業訓練を受講すると条件によって、失業保険(雇用保険)の給付が早まったり、また延長されたりします。

    受講者の中には、お金が目的の人もいることがあります。少なくとも、私の知り合いにこういう目的の人は何人もいました。

    また、私が30代の頃に受講した職業訓練でも、失業保険延長目的の人がいました。

    では、私はどうだった?というと、やる気満々で関連職に就く気100%、ではありませんでした。

    やめとけ!というような否定的なことを言いたいだけ

    「やめとけ!」という否定的な意見には、単に反対したいだけの人もいれば、本当に相手のことを思って言っている人もいます。

    何でも反対する人の中には、他人が成功するのを阻止したいという感情が隠れていることもあります。

    もし自分がどうしてもWebデザイナーのコースを受講したいのであれば、応募した方がよいでしょう。やらない後悔は、後で悔やむ確率が高いから。

    中高年が避けるべき職業訓練のコース

    以下は例として東京の職業訓練コースのうち、中高年で未経験の場合に転職が厳しいと思うコースです。あくまでも私の意見です。

    • Webサイト制作
    • Webデザイナー
    • Webクリエーター
    • Web動画
    • Webマーケター
    • Web担当
    • ゲーム・キャラクターデザイン
    • プログラミング言語系(PythonやJava)
    • 経理・総務

    これらのコースを受講した中高年が、関連職種へ絶対に転職できない、というわけではありません。

    Web系

    Web系は転職活動を実際にすると気づくことですが、未経験で求人の募集対象者は若い世代がほとんどです。

    最低賃金の時給で少しは求人があります。

    既に紹介していますが、アルバイトすらすぐに応募が締め切られたり、応募する際にテスト受講やポートフォリオの提出を求められる企業がほとんどです。

    私は職業訓練の受講前に求人検索で、仕事がどのくらいあるかチェックしていました。時給の低いアルバイトや業務委託の仕事はあると確認していましたが、実際に応募してから上記のような状況を知りました。

    Webデザイナー(クリエイターコース)に中年の私が応募しようとした結果

    中高年で、特に避けるべきコースは、WebクリエーターやWebデザインなど。

    私は、Webデザイナー(クリエーター)に申し込もうとしたところ、ハローワークの職業訓練担当の方に、

    若い方のコースです

    と言われました。また、前職の同世代の同僚で「Webクリエーター」を受講した方がいますが、関連職種には就職していません。

    過去にWeb系の仕事をしたことがあり、改めて学びなおしたいな、という気持ちで申し込もうとしました。申し込むコースの職種に就職意欲がないとだめなので、このことは職業訓練担当の方もちろん言っていません。

    Webマーケターも厳しいの?

    私が受講したコースは「Webマーケター」でした。応募者はそれほど多くなかったため、応募も受講も可能でした。申込時には志望動機などを記載した申込書を提出し、その後は面接のみで試験はありませんでした。

    受講生の95%が女性でした。eラーニング形式のため、同年代の受講者がいたかどうかは画面上でしか判断できませんが、少しはいた印象です。

    私が受講したのは2023年で、いくつかのWebマーケターのコースがありました。受講中にもハローワークのコースをチェックしていましたが、Webマーケターのコースは増えていました。これは憶測ですが、コースが多いので受講の難易度は高くないのかもしれません。

    在宅勤務の仕事に就けたらいいな~くらいの気持ちで、Webマーケターという仕事に本当に興味があったわけではありません。もちろん、このようなことはハローワークにも職業訓練の面接でも言っていません。

    再度記載しますが、職業訓練は就職(雇用保険加入)を目指す人のための訓練プログラムのため、開業やフリーランスが目的で受けたいと言った場合、受講を認められないはす。

    Web系以外のIT系のコース

    ウェブ系以外のIT系のコースも、未経験者募集では主に若い方を求める傾向があります。

    私自身はIT関連の仕事経験15年で現職もIT職ですが、中高年で正社員への転職の場合、高度なスキルを求められる仕事が多いです。

    2~3年おきの引越しがあるので、正社員での仕事探しはもともとしていません。しかし、今回職業訓練を受講した流れで、正社員の求人に応募しなくてはいけないような雰囲気になりました。

    実際に応募したらどういうことになるのか、興味本位で約30社に応募しました。

    おばさん

    本気度1%くらいはあったかな?多分

    結果のほとんどは書類選考落ち、面接した会社は不採用の連絡すら通知がありませんでした。これは予想していた範囲内でしたので、時間と労力の無駄だと感じ、応募をやめました。

    契約社員の求人に応募しようと考えましたが、多くの求人は長時間労働や残業、出張、深夜勤務などが含まれるものでした。

    また、正社員であろうと契約社員であろうと、以前正社員として働いていた時の年収と比べると、給与はかなり低くななります。特に中高年の場合、能力が非常に高くない限り、転職しても給料は上がらないことが一般的です。そこまでして再び正社員として働く魅力はあるのかというと、そうでもないと感じました。

    派遣スタッフとして働く方が年収が良い求人もありました。中高年の転職は非常に厳しい状況です。

    経理・総務

    中高年が経理・総務の仕事に転職する際に避けるべき理由は、未経験の場合中高年向けの求人がほとんど存在しないことです。もちろん、注意深く探せば見つかる可能性もありますが、私の経験では求人検索をしても中高年向けの求人はほとんど見つかりませんでした。

    ネットでは中高年以降で未経験で経理の仕事に就いた話を見かけますが、それはかなり幸運だったり、その人の人柄がよかった等の理由かな、と個人的に思います。

    経理の経験があっても年齢とともに求人数が減少していく傾向があります。これは派遣スタッフにおいても同様です。

    以前働いていた職場の方と今でも連絡を取り合っていますが、彼女は派遣スタッフとして経理職の求人が見つかりにくくなっているし、時給も下がっていると話していました。

    また、高年齢でも転職可能な経理系の仕事を見つけるには、高度なスキルや能力が求められることもあります。

    経理は資格がなくても就けるという意見もありますが、実際に私が経理の仕事を経験してきた結果、日商簿記2級を取得している方が優遇されます。

    中高年におすすめの職業訓練

    以下は東京の職業訓練コースで、私が中高年女性が転職に有利だと思うコースです。

    • パソコン
    • キャリアカウンセラー
    • 介護

    参考に、職業訓練のコースにはないですが、中高年の未経験者が転職しやすいと思う職業です。

    • タクシードライバー
    • 保険などの営業
    • テレアポ

    上記の職業をあげた理由は、転職エージェントからのスカウトメールが頻繁に届くから。私はこれらの仕事の経験はないし、自分の能力的に向いていないので希望もしていません。人材不足のため、片っ端からスカウトメールの送信をしているのかな?と感じます。

    パソコン

    パソコン操作の初心者で、事務職などに就きたい場合は、このコースは有利だと感じます。

    理由は転職活動をしていて、あらゆる転職サイトを見た結果、中高年でも簡単な事務職の募集はあるからです。ただし、正社員での仕事ではなく、パートなどでの働き方です。時給はその地域の最低賃金に近い求人がほとんど。派遣社員の方が時給が良いですが、派遣社員としては事務職は年齢が上がると厳しいです。

    受講を避けるべき人は、ある程度のパソコン操作ができるのに何となく選ぶ人。これは近しい人がパソコンスキルがあるのに受講し、1か月もしないうちに簡単すぎて飽きて退校しました。

    キャリアカウンセラー

    中高年の方々は、豊富な仕事の経験を積んできているため、キャリアカウンセラーとしての活躍が期待できると考えています。実際に私自身もキャリアカウンセリングを受けた経験があり、その助けになったこともあります。

    ただし、キャリアカウンセラーになるための勉強や資格取得は容易ではないと思います。必要な知識やスキルを身につけるためには努力が必要です。しかし、キャリアカウンセラーの需要は高いと言えます。多くの人々が自分のキャリアや職業に関するアドバイスやサポートを求めています。

    介護

    介護の仕事は人手不足で、そのため転職しやすい職種と言われています。実際に私自身は介護の経験はありませんが、以前の住まいの地域でオフィスワーク系の求人が少なく、仕事探しで困っていました。そこで介護の求人を見つけ、問い合わせしたところ、迅速に連絡があり、丁寧に説明していただきました。

    説明を聞いた結果、私には適応しない職種だという判断をしました。一番無理だと感じたのは、「臨機応変な対応」ができないから。

    介護の職種
    • 介護福祉士
    • ホームヘルパー
    • ケアマネージャー
    • 社会福祉士など

    転職エージェントを私も利用したことがありますが、ひとりで転職活動するより効率的です。

    職業訓練受講後の就職率は昔より高い

    厚生労働省のサイト内の「ハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)」に、「ハロートレーニング(離職者訓練)の実施状況 」の情報が掲載委されています。その中のデータを抜粋して紹介します。

    離職者訓練の就職率実績推移

    2008年と直近3年の公開されている就職実績です。

    西暦施設内委託
    2008年74.568.3
    2019年84.272.3
    2020年83.771.3
    2021年86.173.0
    就職率(%)

    最近の就職率は、訓練修了後3か月後の就職状況で、施設内訓練で85%前後、委託訓練で70%と高いです。

    参考に、一番就職率が高い分野は金属分野で、100%です。

    職業訓練の分野別就職率

    2021年(令和3年)の本ブログに関係ある分野の抜粋です。

    分野施設内委託
    IT分野79.868.9
    デザイン分野76.666.5
    営業・販売・事務87.171.3
    分野別(%)

    やはり施設内訓練の方が就職率が高いです。

    職業訓練の女性の割合

    2021年(令和3年)の女性の割合です。

    女性の割合
    • 施設内訓練:28%
    • 委託訓練:75.8%
    • 合計:62.3

    私の受講したコースは、女性が9割くらいです。

    中高年で職業訓練は意味がない?

    「職業訓練受講後の転職率は昔より高い」で紹介した、「ハロートレーニング(離職者訓練)の実施状況 」に、職業訓練受講者の年齢階層のデータもありますが、中高年だから極端に受講者が少ないわけではありません。

    例:IT分野
    • 20歳~24歳:8.7%
    • 25歳~49歳:15%前後
    • 50歳~54歳:11.9%
    • 55歳~59歳:8.1%
    • 65歳以上 :1.6%

    受講コースを誤ると転職は厳しい

    受講するコースを選ぶことは転職において重要であり、間違えると転職が困難になることがあります。

    私自身がその例です。

    中高年で未経験の職種に転職する場合、転職が難しいと感じました。しかし、Webマーケティングの勉強をしたことで、多くの有益な知識を得ることができました。

    職業訓練受講で平日は忙しいか

    30代の頃に受講した職業訓練では、通学する委託訓練だったため、予想以上に平日は忙しかったです。

    今回はeラーニング形式での受講だったので、自宅で好きな時間に勉強できました。日中に外出や予定があっても対応できますし、平日の一日外出しても、早朝や夜、または週末に勉強することができます。ただし、週に1回はオンラインでの指導や定期的なキャリアカウンセリングなどあるため、その都度参加する必要があります。

    この形式にはデメリットもあります。1週間ごとに課題が出され、難しかったり悩んだりして、ずっと課題に取り組むこともありました。仕事しているときよりも、パソコンに向かっている時間が長かったです。

    まとめ

    50代の私が職業訓練のWebマーケターコースを受けた結果、転職はできましたが、それは職業訓練のコースとは全く関係のない仕事です。また、転職といっても非正規雇用です。

    私が受講した「Webマーケティング」のコースは主に20代から30代の方が受講すると転職成功しやすいと感じています

    50代でもWeb系の職業訓練を受講することはできますが、転職(就職)可能かというと厳しいです。それでも受講させてくれる訓練校の目的は?と考えてしまいます。

    職業訓練を受講したからといって、必ず関連する仕事に就職できるとは限りません。ただし、仕事に就けなくても得るものがあったのは事実です。

    私は訓練終了の2か月前くらいから、それまで経験してきた仕事を探しはじめ、職業訓練の終わる数日前から働き始めました。

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