- ITの知識以外に日商簿記の資格があると役立つと聞いた
- 簿記の資格が転職に役立つと聞いたけど難しいのか知りたい
- 日商簿記×ITパスポートなどのIT資格があると転職に有利か知りたい
- 簿記の資格の種類とどれを取ればいいのか知りたい
私は20代の頃、独学で「日商簿記3級」を勉強しましたが、挫折してしまった経験があります。その後、ある出来事がきっかけで、再び簿記に興味を持ち、30代でいくつかの簿記資格を取得しました。
ここでは、簿記のメリットやデメリット、さらにはIT資格との相乗効果について、役立ったエピソードや挫折を避けるための勉強方法を紹介します。
この記事は職業訓練でWebマーケティングを学んだ時に、転職活動用として作成した記事です。
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50代女が職業訓練でWebマーケター受講した話
簿記の有用性は本当にあるのか?メリットとデメリット
簿記の取得に意味がないという意見もありますが、実際に合格した経験から言えば、簿記は非常に意味があります。重要なのは、その資格をどのように活かすかです。
メリット | デメリット |
---|---|
転職に有利 他の資格との相乗効果 経済的な知識の向上 | 難易度の高さ 学習方法に時間と費用 |
メリット
私が簿記の資格を役立たせるために勉強したわけではありませんでしたが、結果的に取得後の転職で何度も役立っています。
- 転職に有利
- 他の資格との相乗効果
- 経済的な知識の向上
転職に有利
簿記の資格はいろいろとあり、日商簿記が一番知られています。
IT関連の仕事に就く場合であれば、簿記3級で十分転職に活かせます。私の経験では、IT分野の仕事探しの際に、「簿記の知識がある人が欲しい」と要望があったことが何度かあります。
また、人生が計画通りに進まないことや家庭事情の変化がある場合でも、簿記の資格が役立ちます。
私の場合ですが、家庭の事情で定期的な引越しがあり、引っ越し先でIT関連の仕事がないこともありました。そんな時に役立ったのは、簿記の資格で経理の仕事に就くことができたことが何度かあります。
他の仕事との相乗効果
簿記の資格は経理や財務関係でしか使えず、そのような分野でしか役立たない、というような意見を聞きますが、全くそのようなことはありません。
簿記の資格を持つことで、他のビジネスや経済に関連する資格との相乗効果が生まれます。
上記「転職に有利」にも記載していますが、仕事の選択肢が増えます。
実際にIT関連の仕事をしているなかで、簿記の知識があって役立ったことはよくありました。例えば、会計システム開発の仕事では、簿記知識があった方が有利です。
私の場合はITとの組み合わせですが、ファイナンシャルプランナーとの相性も良いかもしれません「。
経済的な知識向上
簿記の学習により、会計や財務の基礎知識が身につきます。これは個人の経済管理や投資判断にも役立ちます。
家庭で家計簿をつけるときも、複式簿記の知識があるとお金の流れがわかります。
また、個人事業を考えたときなど、簿記の知識があった方が良いです。
デメリット
デメリットは2つ。
- 難易度の高さ
- 学習方法の時間と費用
難易度の高さ
私は簿記学習で挫折した経験があり、その経験から多くの人が同じように挫折していることに気づきました。
学習のコツをつかむと習得スピードが上がりますが、そこまで辿り着けずに諦めてしまう人も多いのです。
特に簿記の学習では、面白さを見つけるまでに時間がかかることがよくあります。
私自身、他の資格の中には挫折して取得できなかったものがあります。それは法律関係の資格で、当時の会社では社員に必須の資格でした。この経験からも途中でやめてしまう気持ちもよくわかります。
しかし、簿記の場合はあるきっかけがあり、「面白い!楽しい!」と感じることができました。それ以降は学習が順調に進みました。
簿記の学習においては初めのハードルを乗り越えれば、その後は興味や楽しさを見つけることが学習のモチベーションを高めることができるかもしれません。
学習方法の時間と費用
上記「難易度」の高さに続く話ですが、簿記の学習において、面白さや楽しさを見つけるまでに時間がかかることがあります。これに加えて、学習方法の選択肢が多くて迷ってしまうこともあります。
簿記の学習にはさまざまな方法が存在し、どれを選ぶべきか迷うことがあります。そのため、複数の方法に手を出してしまい、結果的に費用もかさむことがあります。
簿記の学習においては、自分に合った学習方法を見つけることや、他の人の経験やアドバイスを参考にすることも役立ちます。
簿記資格(プラスIT知識)が役立つ理由
メリットに記載した「ITとの相乗効果」について、もう少し詳しく解説します。
簿記資格の実践効果!役立った体験談
私はIT関連の仕事への転職の道は順調ではありませんでしたが、その中で役立ったのは「簿記知識」でした。
簿記の知識は、ITスキルが不足していると感じる場合でも役立ちます。なぜなら、簿記を理解していることで、採用される可能性が広がるからです。
具体的に言えば、仕事を探す際には、会計システムに関連するIT系の仕事に採用されやすくなりました。これは現在でも同じです。
簿記知識は、企業の経理や財務業務に関する理解を示すものでもあります。それによって、経理や財務部門とのコミュニケーションがスムーズになり、組織内での役割を果たすことができます。
簿記を学ぶことで、ITスキルだけでなく、会計システムに関連する仕事においても価値を持つことができます。これにより、仕事さがしでの競争力が向上し、より幅広い仕事の選択肢が開けるでしょう。
地方への引越しで役立った
メリットに記載していますが、現在私は配偶者の転勤で定期的な引越しがあります。
地方だとIT系の仕事はほとんどありませんが、会計の知識があれば経理等の仕事に就けます。そして、経理ではITの知識が役立つことが多いです。
逆に都市部に住んでいると、IT系の仕事は見つかりやすいです。例えば、パソコンの設定作業、データベース関連(大量のデータを扱う)仕事、ヘルプデスクやユーザサポート等。もちろん経理等の仕事もあるので、選択肢は多くなります。IT系の仕事で、会計知識がある人を探していることも意外とあります。
給料が高め
非正規雇用の場合ですが、一般事務の時給と比較すると、これまでの経験では1.2~1.4倍ほど高い時給です。
さらに、より高度な仕事をすると時給も上がりますが、現在は自分の生活環境に合わせて少しゆるく働くことを選択しています。
IT系の仕事で派遣社員として働く場合、IT系の派遣会社にはメリットがあります。
オフィスワーク系の案件を扱っている一般的な派遣会社では、交通費の支給上限は通常3万円が多いです。しかし、IT系の派遣会社では、交通費の上限金額が3万円を超えるか、あるいは全額支給する会社が多いです。これにより、通勤費の面でも経済的なメリットを享受することができます。
【挫折体験談】日商簿記3級で挫折から日商簿記2級合格まで
私が挫折からまた簿記の学習をはじめたきっかけは、やりたかったわけではありませんでした。
簿記3級って難しい
日商簿記3級は、初めは「3級」なので簡単そうに思えるかもしれませんが、実際に学習してみると意外と難しいことに気付くでしょう。
私が簿記3級を受験しようと思ったきっかけは、20代で一般事務の仕事に採用されず、困っていた時でした。その頃、私に近しい人から「簿記が向いてそうだから試してみれば」と言われたことがきっかけでした。
そこで、早速3級のテキストと問題集を購入し、学習を始めました。しかし、すぐに挫折してしまいました。
今でも覚えている挫折の一つは、「貸方」と「借方」という言葉で、貸してないし借りてないし、なんなの!?と思いました。
簿記の学習は、専門用語やルールが多く、理解するのが難しいと感じました。問題も複雑で、一度に多くの情報を把握する必要がありました。そのため、最初のうちは理解するのに苦労し、学習の進め方にも戸惑いを感じました。
簿記が楽しいと思った出来事
30代の頃に働いていた会社で、ITスキルを伸ばしたいと考え、通信制の大学生になったのがきっかけで、簿記の面白さを知りました。
私が選んだ当時の通信制の大学は、基本はテキスト学習で年に数回のスクーリングがありました。
科目の中に「簿記」があり、テキスト学習では全く理解できず、しかし「4単位」科目だったたっめ、絶対外せない。スクーリングもあると知り、参加。講師は現役の税理士でとても分かりやすく、これまでの疑問が一気に解決したのです。
その後、すぐに日商簿記3級を受け合格し、職業訓練の「経理・総務課」を受講し、派遣会社の無料eラーニング等も活用。
「簿記の面白さ」が実感できれば、日商簿記2級まで合格することは可能。
借方と貸方って実は簡単
これは私が教えてもらった考え方です。
「貸方」と「借方」は、会計で使われる用語で、取引の記録方法を表しています。最初は難しく感じるかもしれませんが、実は簡単な考え方があります。
- 借方:お金が出ていく方を指す
- 貸方:お金が入ってくる方を指す
この二つの言葉の意味を覚えるのではなく、右と左のイメージで考えると理解しやすくなります。
具体的には、以下のように考えてみましょう。
- 右(借方):「かり」の「り」が左方向に伸びているイメージ
- 左(貸方):「かし」の「し」が右方向に伸びているイメージ
また、仕訳の記録方法は、仕訳はキャッチボールのようなものです。
- 右(借方):右手でボールをキャッチするようにお金を受け取るイメージ
- 左(貸方):左手でボールを投げるようにお金を出すイメージ
簿記資格の種類と取得方法
簿記の資格はいくつかありますが、日商簿記がおすすめ。
簿記資格の種類
「日商簿記」が知られていますが、他にも簿記資格(会計)はあります。
- 日商簿記(日商簿記検定・日本商工会議所)
- 全経簿記(全経簿記能力検定試験・(公社)全国経理教育協会)
- 建設業経理(建設業経理検定・(一財)建設業振興基金独自
上記以外には、公益財団法人全国商業高等学校協会の簿記実務検定もありますが、これは商業高校生向け。
さらに難易度が高い「税理士」や「公認会計士」の資格があります。
日商簿記をおすすめする理由
- 学習ツールが多い
- 求人で求められる簿記資格が日商簿記であることが多い
実際に本屋さんに行ってみればわかることですが、「日商簿記」に関連するテキストや問題集は非常に多く存在します。また、eラーニング等での学習も「日商簿記」がほとんどです。
求人検索では「日商簿記3級」や「日商簿記2級」の記載が多いです。
日商簿記
日商簿記は、商工会議所
- 1級
- 2級
- 3級
- 初級
- 原価計算初級
ITの知識や資格と合わせて活用する場合は、「日商簿記3級」、少しでも転職を有利にしたいのであれば、「日商簿記2級」を取得すると良いです。
受験は2つの方法があります。
- 各地商工会議所
- ネット試験(2級・3級・初級、原価計算初級)
日商簿記の合格率
試験は統一試験とネット試験があり、統一試験は従来のペーパー形式です。
2020年から3年間の平均合格率です。
級 | 合格率 |
---|---|
2級ネット試験 | 40.6% |
2級統一試験 | 22.2% |
3級ネット試験 | 41.0% |
3級統一試験 | 42.5% |
2級は統一試験とペーパー試験で合格率にかなり差があります。
日商簿記3級に挫折しそうになった時の解決案
日商簿記3級の学習が難しいなと感じた場合は、次の順番に変えてみるのも良いでしょう。
- 日商簿記初級
- 全経簿記3級
- 全経簿記2級(商業・工業)
- 日商簿記3級
- 日商簿記2級
日商簿記初級は、2017年4月から施工されました。
商工会議所ネット試験施行機関で受験でき、定期的に試験を実施していて、試験時間40分で受験料は2,200円と安いです。私は2018年頃、この初級が増えたのに気づきどんなものなのか受験しました。初級の合格率は60%と高いです(2023年5月時点)受験したのは街のパソコンスクールでした。
全経簿記(全経簿記能力検定試験)を受けてみるのも良いです。全経簿記はあまり知られていませんが、合格しやすいです。
取得後の有効性
私が日商簿記2級に合格したのは2008年ですが、いまだに仕事探しで役立っています。一度頑張れば、長く活用できる資格です!
ただし、日商簿記2級は難しいです。
私は職業訓練と派遣会社のeラーニングを活用したのですが、すごく私のツボにはまるeラーニングのおかげでもありました。
そのeラーニングは今でも受講できるサイトが存在しています。
まとめ・ITスキル×簿記知識で転職に有利
簿記資格のメリットやデメリット、ITとの相性、そして実践体験を紹介しました。
簿記資格は給料アップや地方への引越しといった具体的なメリットがあります。
ただし、簿記3級の難しさに挫折することもあるかもしれません。しかし、取得後の有効性は高く、簿記資格は幅広いスキルとなることがわかりました。
初めに日商簿記3級や日商簿記初級から始めてみることをおすすめします。きっと転職や将来のキャリアに役立つスキルとなるでしょう。