情報システム部門の役割と業務内容を徹底解説!IT未経験者でも働ける

Webマーケティングの職業訓練を受講していた時に、就職活動用のサイトとして作成した記事の一部です。画像は外しています。→ この記事を作った理由を記載しています

こんな疑問にお答えします。

私自身、情報システム部門で何度も働いてきましたが、他の部署の人から「具体的に何をやっているのか分からない」と聞かれることがありました。

オフィスワークを経験したことがある人であれば、情報システム部門が存在することは知っているかもしれませんが、具体的な仕事内容を詳しく知らない場合もあるでしょう。

IT未経験者でも情報システム部門で働くことができる業務があるため、どのような仕事をするのかを把握しておくことは役立ちますので、詳しく解説します。

目次

情報システム部門(情シス)とは

多くの企業が情報システム部門を略して「情シス」と呼ぶことが多いです。

以下情報システム部門を「情シス」と略します。

情シス部門

多くの中小企業以上では、次のような部署があります。

「情報システム部」とか「情報システム課」といったITに関する部署があります。

  • 情報システム部
  • 情報システム課(総務部等の配下)
  • IT(グローバル系の企業など)

グローバル企業では、「IT」とは別に「PCサポート」という部署がある企業もあります。

大きな企業では、情報システム部門を別会社にしていることもあります。逆に、小さい企業の場合は、総務部などの他の部署がITの仕事を兼任していることもあります。

情シスの業務

身近なところからですと、情シスは社員が使用するパソコンやネットワーク、サーバなどの構築や管理を行っています。

機器を借りる、パソコンの調子がおかしいとき、基幹システムの不具合で問い合わせたことがある人もいるのではないでしょうか。

さらに詳しくは以下で解説します。

情シスの仕事内容

具体的には、主に以下のような業務があります。

情シスの業務
  1. システム開発やシステム保守・運用
  2. サーバ構築・管理(データベースサーバ・ファイルサーバなど)
  3. セキュリティ対策
  4. ネットワーク構築・管理
  5. IT機器の管理・運用
  6. ユーザーサポート・トラブルシューティング
  7. システム導入・改善提案

企業によっては、これらの業務の一部または全部を情報システム部門で行っている場合があります。

システム開発やシステム保守・運用

情シスでは、業務に不可欠な社内システムの開発・管理が重要な業務の一つとなっています。

ただし、開発業務を外部ベンダーに依頼することが多いです。外部ベンダーに依頼する場合でも、システムの設計や要件定義、導入時の環境の用意、システムトラブル発生時の緊急対応などは情シの業務となります。

例えば、基幹システムにトラブルが発生した場合、情シスはトラブルの原因を確認し、ベンダーに対応を依頼します。ベンダーは多くの場合、メール、電話やリモートで対応しますが、重篤な場合には訪問して修理作業を行うこともあります。

サーバ構築・管理

サーバは社内ネットワーク内でデータやアプリケーションを共有するために必要な機器で、企業にとって重要な役割を担っています。サーバ構築は頻繁にある業務ではありません。必要に応じてサーバを増やすことがあります。

日常のサーバ管理は、基幹システム等のバックアップ作業などがメインで行われ、サーバ監視は外部ベンダーに委託することが多いです。

上記の説明は、自社サーバを持っている場合です。

自社サーバーを持たずに、データセンターやクラウドサービスを利用する企業が年々増えています。

セキュリティ対策

セキュリティ対策の業務は、情シスの不正アクセスや情報漏えいなどから企業を守ることを目的としています。

具体的には、ウイルス対策やファイアウォールの設定、セキュリティポリシーの策定や改善、社員教育などが含まれます。

また、パソコンのパスワード管理など、セキュリティに関する管理を行い、情報漏洩や不正アクセスなどのリスクを低減します。

ネットワーク構築・管理

ネットワーク構築・管理の仕事では、企業や組織のLAN(ローカルエリアネットワーク)やWAN(ワイドエリアネットワーク)などのネットワーク環境を構築し、運用・管理を行います。

部署移動や会社の引っ越しなどのイベントでネットワーク構築作業が発生することがありますが、実際には定期的にネットワークのメンテナンスやトラブルシューティング、改善・最適化のための作業が頻繁に行われます。

また、ネットワークのセキュリティ対策や障害発生時の緊急対応も重要な業務です。

インターネットにつながらない場合の対応もその一例ですが、ネットワークの問題に限らず、パソコンやサーバーのトラブル対応なども含まれます。

IT機器の管理・運用

IT機器の管理・運用の仕事は、組織内で使用されるIT機器の管理を行うことで、スムーズな業務遂行を支援する役割を担います。主な業務としては、以下のようなものが挙げられます。

デジカメやビデオカメラなどの貸し出しを管理することで、社員が必要なときに自由に使えるようにします。

パソコンの設定・修理対応

パソコンのセットアップやトラブルシューティングを行い、スムーズな業務遂行をサポートします。OSが変わる場合は、大量のパソコン設定をすることがありますが、外部委託する企業もあります。

ハードウェアのメンテナンス

パソコンやサーバーなどのハードウェアの保守・メンテナンスを行い、故障やトラブル発生時に迅速に対応します。

ユーザーサポート・トラブルシューティング

情シスの中でも比較的ユーザーに近い業務です。

この業務では、社員からの問い合わせやトラブル対応などを行います。例えば、パソコンの調子が悪い、プリンタが印刷できない、基幹システムにログインできないなどの問題に対して、電話やメール、直接対面などで対応します。

ユーザーサポート・トラブルシューティングの業務内容は多岐にわたりますが、問題の原因を特定し、対処法を提供することが求められます。また、社員に対して、パソコンの使い方やセキュリティに関する注意点などを説明することもあります。

情シスでは、ユーザーサポート・トラブルシューティングを担当する人員を「ヘルプデスク」と呼ぶことがあります。ヘルプデスクは、ユーザーからの問い合わせやトラブルに対応するだけでなく、問題を解決するために必要な情報を集めたり、問題の状況や解決方法を報告したりすることも重要な業務となります。

システム導入・改善提案

システム導入・改善提案の仕事は、現在使用しているシステムに改善点がある場合や新たなシステムが必要とされる場合に、どのようなシステムを導入すべきかを提案し、導入後の運用においてもサポートを行う仕事です。

まず、導入や改善を検討するために、既存のシステムの課題や問題点を分析し、改善すべき点を洗い出します。その上で、現在の業務プロセスを把握し、システム導入によってどのような業務効率化が図れるか、また、システム導入に必要なコストや期間なども検討します。

その後、システム導入・改善案をまとめ、上司や関係者にプレゼンテーションを行い、承認を得た場合は、実際に導入・改善を行います。導入後は、トラブル対応や改善提案なども行い、よりよいシステム運用を目指します。

IT未経験者でも働ける可能性が高い情シスの仕事

IT未経験者でも働ける情シスの仕事には、以下のようなものがあります。

  • ヘルプデスク
  • PCキッティング(PC設定)
  • ITアシスタント(事務)

上記は、本記事の「情シスの仕事内容」の「IT機器の管理・運用」や「ユーザーサポート・トラブルシューティング」に該当する仕事が含まれます。

職種では「ITサポート」と呼んでいることもあります。

これらの仕事は、IT未経験者でも始めやすく、自己学習やPCスクールなどを通じてスキルを身につけることができます。また、情シスに関する知識や経験を積むことで、将来的により高度なIT職種に挑戦することも可能です。

次の記事でヘルプデスクとPCキッティング、ITアシスタントについて説明しています。

情シスで働いた体験談をもとに具体的な仕事を説明

私が一番長く経験した仕事が、情シスの仕事です。仕事内容は企業や自分の雇用形態で異なります。

派遣では簡単な業務のこともある

ここ数年は家庭の事情が関係しており、非正規雇用で働いています。直近の仕事は情シス。

今までで一番情シス部員の多い職場で、サーバとクライアントのチームがあり、私はクライアント担当だったので、サーバ関連の仕事はしていません。

メインの仕事はPC設定やスマホ設定、ヘルプデスク、ITに関する予実管理関連(本来は財務の仕事)で、仕事内容は経験もあることもありますが、簡単な業務が多め。

資格で言うと「ITパスポート」の内容理解、そして簿記を理解しているレベルで働くことができます。

PC設定は企業により方法が異なることもありますが、マニュアルがあるので簡単です。唯一緊張するのは、BIOSのパスワード設定。私はミスしたことはないですが、誤って違うパスワードを設定し、そのパスワードがわからないと悲惨なことになります。

BIOSは、コンピュータの基本的な機能を管理するソフトウェアです。BIOSは、コンピュータが起動する前に実行され、ハードウェアを初期化し、オペレーティングシステムを起動するための設定を行います。第三者がコンピュータにアクセスしたり、重要な設定を変更したりすることを防止するためにパスワード設定をします。

トラブル対応


私が情報システム部門で働いた経験から、同じ会社内でもまるで外部業者のような扱いを受けることが多いなと感じます。

簡単な問い合わせが多く、そのたびにイライラする上司もいました。以下は代表的な例です。これらはもしかしたら、「情シスあるある」かもあるかもしれません。

  • 何もしてないのにパソコンが動かない、壊れたと言う
    → 本人が何かしているはず。貸出モバイルPCを壊す人もいる。
  • パスワード忘れたとパスワードを聞いてくる
    → こちらも知らない。初期化するしかない。
  • 基幹システムが遅くすぐどうにかして
    → 外部委託のシステムが多く、情シスで対応できないこともある
  • エクセルやワードが使い方がわからないという問い合わせ
    → オフィスの質問を嫌がる情シス部員も意外といる。
  • エクセルなどのマクロに関する質問
    → VBAを基本禁止にしている会社もあったりする。

「蕎麦屋の出前じゃねぇ!」とキレル上司もいました。

私自身は、どんな質問に対しても基本的にはイライラすることはありません。面白いこと聞いてくるな、と思うこともあり、楽しい。

IT専門でなくても情シスで働けることもあり

部長クラスの立場の方が、長年同じ企業で働き、異なる部署での経験を積んで部長に昇進した場合、実はITに詳しくない人もいることがあります。

彼らは人を管理するためのスキルを持っていることが多く、ITの基本用語を理解している場合もありますが、PC設定やサーバー運用について実務はできないこともあります。

残業は少ない傾向

情シスの仕事は残業があまりないことが多い企業もあります。

社員で働いていた会社が一番残業がありませんでした。上司が早く退社することも影響していましたが、残業は月に10時間以内でした。他の企業でも基本は残業は少なかったです。

ネットワーク等のトラブル発生や、導入中のシステムがありうまくいっていないなどで、残業が多いということはあります。

今まで働いた中で最も残業が多かったのは、システム開発会社でした。導入トラブルがあるときは、月50時間の残業とういうこともありました。

情シスの出張

他の支店や支社がある企業では、出張して機器の設定やセキュリティの更新などの業務を行うことがあります。

出張には移動時間が含まれ、出張手当も出て、違う環境で働くことができるため、私はこの業務が好きでした。

実際にはそれほど難しいことをしていないにもかかわらず、他の社員からは大したことをしていると思われがちな仕事でした。

まとめ

情報システム部門(情シス)は、企業内において情報技術を扱う部署であり、システム開発やサーバ、ネットワーク、セキュリティなどの管理・運用、ユーザーサポートやトラブルシューティング、システム導入・改善提案などの業務を担当しています。

IT未経験や初心者の方が、これだけ聞くとなんだか難しそう、と感じるかもしれませんが、そのような方でも働けるしごとはあります。

ヘルプデスクやPCキッティング、ITアシスタントなどの仕事を通じて入社することができ、実務を通じて知識やスキルを身に付けることができます。

IT業界に興味がある人や、将来ITに関わる仕事をしたいと考えている人には、情シス部門での就業も視野に入れることをおすすめします。

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